一般社団法人秋田RPA協会 2022年度に向けて
DXは導入するものではなく、企業や社会をより良い未来へ引き上げるきっかけ
2022年4月22日
一般社団法人 秋田RPA協会
会長 齋藤 和美
会員の皆様には益々ご清祥のこととお喜び申し上げますととも、日頃より、本協会活動へご理解ご協力賜り厚く御礼申し上げます。また、新型コロナウィルス感染も3年目となり、今年に入り高止まり傾向にありますが、会員の皆様にはご苦労の多い事業運営となっていることとご拝察いたします。
早いもので本協会の発足から2年半、一般社団法人化して1年が過ぎました。この間は新型コロナの期間で協会活動にも制限されることが多く、法人化しての1年間は、後援セミナーや調査活動を行いましたが、会員の皆様と直接交流できるような主催イペントは残念ながら限定的でした。
その中でも協会は2回の調査事業を行いました。特に、昨年2021年8月~9月に実施した「第2回秋田県内の企業におけるICT導入実態と景況感に関する調査」は一昨年、昨年と2年連続の調査となり、秋田県内企業の取り組みや意識の変遷が見えるものとなっております。協会のWebに公開されており、皆様にご活用頂いております。
また、会員の皆様には一般公開用とは別に業種別・規模別の分析結果もお届けすることが出来たことは、限られたリソース運営の中でも一歩前進できたことだと考えております。本調査結果が会員の皆様のビジネスに少しでもお役に立っていただけたものと自負しております。
今年度は、調査活動と後援セミナー、そして主催イベントを企画するとともに、会員様向けの新サービス(日本RPA協会連携サービスなど)提供を計画しております。中小企業のDX推進ツールとしてのRPA利活用についてのセミナーなども検討しており、会員の皆様、ひいては秋田県全体のDXへの取り組みの一助になるよう、協会活動を活発化してゆく所存です。
昨年の調査ではDXの調査項目を追加しましたが、本調査結果から、秋田県内の企業の皆さんは、DXについて未だ獏としており、自分事のようにはあまり感じていないように見受けられます。ただしDXは秋田だけでなく、日本中、どこでも模索中です。なので、これから試行錯誤で前に向かって進むだけだと思っております。
DXが表れた背景には、第4次産業革命とまで言われるICTの発展と戦略的ICT利活用ビジネスの絶え間ない進化があります。一方で経済のグローバル化と日本のICT導入やICTの戦略的な活用の遅れによる経済地位の相対的低下が新たなICTの規範=DXを生んだと思われます。
ただ現実には、地方や中小企業では、これらのひっ迫感や危機感は国や大企業のそれとは少しかけ離れています。さらに、業種・業界ごと、そして地域の特徴などにより、課題の優先順位の違いがあります。
DXを強く推すRPAやAIなどのツール活用の時代が始まる
そこでDXを整理してみると以下の2つにポイントがみえてきます
1.企業経営の目的(あるいはビジョン)はすべて別々
企業はそれぞれの目的を達成するため、ヒト・モノ・カネの資本の3要素、そして商売(ビジネス)の成功には情報が必須となります。そして、現代での情報の重要性はけた違いです。入手できるありとあらゆるデータを加工・分析し、ヒト・モノ・カネと結び付け、有用な情報として活かし、目的達成のため、より最適な経営やビジネスに常に進化し続けます。
2.デジタル・データの利活用は大前提
DXは「業務変革、働き方変革、ビジネス変革、組織そのものの変革」し、ビジョンを実現する。これらがDXを求めるようになったということは明白です。ただしやっかいなことに、企業の数だけDXはあるのであって、だからDXに定番や正解はなく、デジタル化を前提にした、企業や社会の仕組み、ルールや考え方の変更といえるでしょう。時代に合った手段で変革を続けてきた企業が、生き残りあるいは大きく成長して来たのだと思いますが、自ら変革をし続けることが出来る組織や人になることがDXの本質と言えるでしょう。
そして秋田です。ここでは様々な課題を抱えている中で、事業継続の大きな要である働き手不足の状況が眼前に迫っています(2025年には秋田県の労働人口比率が50%程度になると予測されています)。また、今般の資源高や円安は企業経営に大きな負担となり、さらなる経営効率や生産効率の向上が求められると想定されます。ここにICT、RPAやAIなどDXを生かすことが必須要件なのです。
新型コロナウィルス感染への対策で、デジタルツールの利活用は有効な手段であるとともに、今の社会で必要不可欠な社会インフラであり便利な道具であることが強く認識されました。そして、私たちは、それらのデジタルツールを自らの意思があれば利活用できる環境にあります。
厳しい時代を前に、自らの意思で、先ずは一歩踏み出すことが大切ではないでしょうか。小さな一歩の先にDXという手段があり、ビジョン達成という大きな目標があって欲しいと思います。その手段の一つとして、RPAなどのデジタルツールもあると思いますので、本協会の役割として、啓蒙活動を主体に、ベンダー様やユーザー様の接点を担うことが出来ればと考えております。
最後に、今年度は本協会発足の原点に返り、DXの本質を考えながら「RPA」普及をきっかけに、ユーザー様自らがICTの利活用に前向きになっていただけるような活動を行ってゆく所存です。
つきましては、本年度も会員の皆様におかれまして、本協会活動へのご理解ご協力賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
末筆ではございますが、皆様のご健勝ならびにご活躍を心からお祈り申し上げます。